BBC News Japan, 2022年1月14日
スイス・ジュネーヴと仏パリに勤務するアメリカの外交官4人が、「ハヴァナ症候群」と呼ばれている神経系の症状を訴えていることが13日、米メディアの報道で明らかになった。
報道によると、ジュネーヴ勤務の3人とパリ勤務の1人は昨年夏に体調不良となった。これまでの5年間で、約200人が同じ症状に見舞われている。
ハヴァナ症候群をめぐっては、敵対勢力が外交官をマイクロ波で攻撃しているのではないかという疑惑がある。
アントニー・ブリンケン米国務長官は、アメリカ政府はこの謎の解明に動いていると述べた。
また、ロシアに対して問題を提起したと説明したが、まだいかなる決定もなされていないとしている。
こうした体調不良は2016~2017年に、キューバの首都ハヴァナのアメリカ大使館職員に最初にみられたことから、「ハヴァナ症候群」と呼ばれている。
アメリカ外交官や情報員、当局者、その家族、さらにカナダの外交官などが症状を訴え、中には数カ月にわたってめまいや倦怠(けんたい)感を覚える人もいた。
報道によると、今回症状を訴えた1人は、治療のためにスイスからアメリカに避難したという。
「責任を明らかにする」
ブリンケン長官はMSNBCのインタビューで、この症状を訴えた世界各地の国務省職員と話し、生活にどのような影響を受けたかを聞いたと述べた。
長官は、職員らは「直接的かつ多大な影響を受けたと話した」と説明。一方で、「今日まで、我々は何が起きているのか、誰がこの責任を負うべきなのか分かっていない」と話した。
「何が起きたのか、だれの責任なのかを明らかにするため、政府を挙げて精力的に活動している」
ロシアと中国、そしてアメリカも、マイクロ波の軍事利用を研究していると言われている。しかしロシア政府は、「マイクロ波兵器」をアメリカに対して使っているという批判を、「非現実的な仮説にすぎない」と一蹴している。
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